5年目の雑感

諸々の事情により2023年5月よりホームページのアドレスを移転させて頂きました。と言っても中身はほとんど変わっておらず、相変わらずIT音痴の手作り感満載となっております(汗)。うまくいくことばかりではありませんでしたが、ここまで5年間続けられたことは支えてくれているスタッフのおかげでもあり、通ってくださっている患者様のおかげでもあり、本当に感謝しかありません。
以前のホームページでは「コンセプト」というページで、「統合的精神医療を目指す」云々という大言壮語なスローガン?を掲げていたのですが、見直してみて気恥ずかしくなり、今回削除しました。考えてみれば、薬物療法であれ心理療法であれ、患者様のニーズを読み取って持てるリソースを提供していくということに大きな違いはないと感じます。また、小医は「西洋医学の薬は悪」という思想を持ち合わせておりませんので(漢方治療が古代の叡知の結晶であるのと同様、西洋医学の薬は現代の研究者の努力の結晶と考えます)、通常の薬物療法と漢方治療を両方活用するのも自分にとっては当たり前のことです。
過去5年間に変わったこととしては、良くも悪くも「こうあるべき」という縛りから自分が自由になってきている感じがします。偉い先生がこう言ったからとか、権威ある教科書にこう書いてあってからそれに従う、というのは少なくなってきています。今まで学んできた治療の中でも、自分の中で淘汰されて残っている治療というのは、セラピスト主導で「こうあるべき」というのを患者様に押しつけるスタイルの治療でなく、患者様の側から主体的・内発的に変化していくような治療です。例えば、セラピストが極力余計な干渉をせず、患者様の自己修復能力を最大限生かすというのが、小医が今でも多用しているEMDRという治療の基本思想ですし、最近学び始めたクレニオセイクラルセラピーという治療も、実際治療しているのは患者様の中にいる「内なる医者」であって、セラピストをそれを助けているだけ、という考えが根本思想になっています。
そうは言っても、治療者の方がいろいろなリソースとつながってより自由な発想ができていないと、患者様の変化を促進できないし、その点で過去5年間は努力不足であったと痛感しています。今後もより開かれた治療者を目指して、いっそう研鑽を積んでいきたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い致します。